みなさん 2021 年あけましておめでとうございます。2020年はこのブログを始める事で、自分自身振り返る事のなかった日本の文化や生活について、より深く考える事ができてとても嬉しく思っています。
みなさんにも少しでも日本の空気を感じてもらえたら本当に嬉しいです。またパオラのアイデアで音声でも日本語とイタリア後でのご挨拶も試してみました!私の拙いイタリア語ですが是非聞いてみてください。どうぞ今年もよろしくお願いいたします。

さて、これまで日本の文化を紹介してきて絶対避ける事のできないイベント、それがお正月ではないかと思います。
前回クリスマスの記事でも少し触れましたが、日本人にとってお正月は一年のうちで一番大切な日といっても過言ではないのではないでしょうか。
私自身、学校も仕事も休みになるこの年末年始は、街の空気も変わり、離れ離れに暮らしている家族も集まり、みんな慌ただしく新しい年を迎える準備が町中にあふれ、その雰囲気にワクワクしたものでした。
そういう意味でもイタリアのクリスマスと日本のお正月は少し似ているのかもしれません。そんなわけで、今日は日本のお正月についてご紹介します。
大掃除、神様を迎える家
日本の正月は中国とは違い、一部の地域を除き西暦でのお正月ですのでイタリアと同じ時にお祝いします。
イタリアではクリスマスのデコレーションは1月6日のエピファーニャまでは飾っていると思いますが、日本では25日が終わるとすぐに取り外し、お正月の飾り付けの準備に入ります。
正月までわずか6日しかないので大忙しです。何を準備するのか、それは前回少しお話した日本古来の宗教でもある神道にまつわるもので、お正月にやってくる神様をお迎えする準備。
まずは大掃除。神様をお迎えするのに家をピカピカに掃除します。子供の頃は冬休みお正月前は掃除の手伝いをするので、少し憂鬱だったのも良い思い出です。私も今年は少し時間があったので1年サボった部分も掃除しましたよ。何はともあれ、綺麗な家は居心地のいいものですよね。

歳神を待つ場所
その後はお正月の飾り付け。代表的なのが門松や注連飾りといったその年の神様(歳神)をお迎えする飾り。
門松は長さの違う竹を3本に束ね、松や梅、南天などで飾ったもの。玄関に一対にしておきます。
しめ縄はクリスマスリースと少し似ていて、地域ごとによって編み方は違いますが、藁を編んだものに様々な縁起の良い植物や花を飾り付けて玄関に飾ります。こうする事で神様が家を見つけやすいという事なんです。


一番初めのご挨拶
そしてもう一つ、イタリアのクリスマスと少し似ている習慣が年賀状。新年のご挨拶として一定の大きさのハガキに、今年お世話になった人にご挨拶します。
12月15日を過ぎると、普段は普通と速達の2つの受け口がある郵便ポストが、「一般郵便」と「年賀」にわかれ、年賀に入った方はお正月に届けられます。家族全員分のハガキは束にするとかなりの厚みになります。
年賀状:お年玉付きのハガキ
またこの年賀ハガキにはお年玉としてイタリアでいうロトのような数字があり、新聞に数字が発表され。当選すると現金や海外旅行、家電、小さなものは切手などが当たるようになっていて、これもお正月の楽しみの一つでした。
今となってはSMSやメールで新年の挨拶をすませる人も多いようですが、まだまだ根強いお正月の習慣です。

幸運のテーブル
お正月の習慣や風習についてお話していたら、いくらでも書けてしまうのでここまでにしておいて、絶対にこのブログでお話するべき事、お正月の料理についてお話しします。
イタリア、今私がいるエミリアロマーニャでは、年始に幸運を願ってコテキーノやザンポーネ、それにレンズ豆を煮たものを食べるのが一般的だと思います。
実は日本でもこれと同じように、年始に幸運を願って様々なものを食べます。いくつかご紹介しますね。

それぞれの材料の意味

kuromame 黒豆: 甘く似た黒豆。「豆」という語句が健康や丈夫という意味を表すのと、まめまめしく働くという願いを込めています。

Kurikinton 栗きんとん: クチナシで鮮やかに着色した黄金色のサツマイモと栗のペースト。この色から豊かな年になりますようにという意味。

datemaki 伊達巻: 魚のすり身をいれた卵焼きをくるりと巻いたもの。かつて日本では書物を長い紙に書き、筒状に巻いて持ち運んでいた事から巻物を知性の象徴。知識が豊富になるようにという願いが込められます。

kazunoko 数の子: ニシンの卵。たくさんの卵から子孫繁栄を願って。エビの含め煮、

ebi エビ含め煮、塩焼き:エビのように背中が曲がるまで長生きできますようにという意味

Teriyaki Yellowtail ブリの照り焼き:ブリは出世魚と呼ばれている事から将来出世できるように。
ブリの照り焼き
材料: ブリの切り身 二枚 |醤油大さじ2|みりん 大さじ2|砂糖大さじ2(みりんがない場合は、甘めの白ワインで代用してください)
ブリを一口サイズの大きさに切り、油を薄くしいたフライパンで中火で両面をやく。
焼ければフライパンから取り出し、調味料を全て入れて煮立たせる。煮立った汁にブリを戻して、汁を絡めながら煮詰める。
汁が煮詰まってとろりとしたら出来上がり。
これはお節料理としても食べますが、普段も食べる家庭料理です。簡単にすぐできますよ。
御節:愛に満ちたお重に入った料理
など一例を挙げました。全て揃えると20~30種類にもなるそうですが、これらを12月31日までに用意して、2,3段になったケース、お重といいますがそれに詰めます。
弁当が少しずつイタリアでも有名になりつつありますが、その大きいバージョンだとおもっていただければいいと思います。こちらのサイトでも弁当箱を取り扱っているので興味のある方はみてみてくださいね。
神様によい一年になるようにお供えするという意味のあるこの料理はお節といい、お正月には欠かせない料理です。
何より、かつては一年中台所に立たないといけない女性達が、せめて正月の3日は休めるようにという意味もあったそうです。
なので日持ちがするように甘みや酸味が強いものが多いのが特徴。そんなわけで、子供の頃はあまり好きではありませんでしたが、やはり日本の新年の雰囲気を味わうには欠かせないもの。
2021年は私も少しイタリアで作ってみようと思います。イタリアでも手に入る材料でアレンジしてあるので、本家とは少し違いますがもしよければ試してみてくださいね!
最後に、よい一年の始まりを…
いずれまた以前のように自由に世界中を行き来できるようになった時には、ゆっくり新年に日本に帰りたいなぁ、と思います。
それはやっぱりその場でしか感じられない、あの新年独特の空気感があるから。神聖で静かな雰囲気は言葉で表すのは少し難しいですが、なんとなくイタリアのクリスマスと同じ神聖なものを根底に感じるのは私だけなのでしょうか。
どなたか日本の新年を知っている方に教えていただけたら、うれしいなあ。
何はともあれ、2021年、皆さんにとって良い年になりますように!

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